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園長ぶつぶつ

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免許状更新講座

2015-08-01
栃木県の夏の研究大会が昨日終わりました。わたしは幼稚園の先生の免許状更新講座を担当しました。その時の、内容をいい機会なのでお伝えしましょう!
 
幼稚園の先生の免許は更新制度があります。つまり年齢を10年ごとに区切り、30時間の研修を再度うけないと、免許が取り消されてしまいます。今年は当園から4人の更新者を出しました。保育士さんの資格は国家資格ですが、こうした更新制度はありませんので、幼稚園から始まる学校の先生の免許の更新制は当たり前と言えばそうですが、それだけ厳しいものであります。ご承知のように、学校は幼稚園からはじまります。最近は認定子ども園ができました。そのなかで幼保連携型認定こども園だけが学校教育を行える施設と法律で位置づけられました。誤解がないように言えば、教育は家庭でも、社会でも、職場でもしています。しかし体系的な小学校以降とつながりのある学校教育はいま言ったように幼稚園と連携型のこども園でしか認められていません。ですから幼稚園に勤務するには教諭の免許状、連携型こども園に勤務するには保育教諭とう免許がいります。(保育教諭は今度できた新しい資格です)幼稚園は教育機関ですから、その目的は、子ども達を育てることにあります。教育するわけで、親や保護する方の代わりに「お預かり」していればいい訳ではありません。今年も私は栃木県の幼稚園免許更新講座の講師を引き受けましたが、毎回強調していますのは、そのことであります。幼稚園の先生として、子ども達のいかなる点をのばすいくかということです。
 幼稚園は学校ですが、小学校以降の学校とはその教育の方法が違うということが分かっていないといけません。私立幼稚園はだいたい全国で8000くらいありますからいろいろな園もありますが、その基本は4つあります。
 1は環境による教育の方法をとります。つまり幼稚園は教科書がありません。ですから園で見る物、聞く物、触る物、味わう物、ときには匂いだって大事な教育の教材になります。それと先生ですね。園にいる大人である先生の存在は大きい。変な人は困るわけです。だから更新講座をして今までしてきたことを確認をしたり、ときには間違った人は軌道を修正して下さいとなるわけです。
それと他の友達の影響も大切です。こういうのを人間関係というわけですが、簡単に言えばこどもは園の多くの環境と友達の間で、先生が中にはいり成長していくと思って下さい。この度の講座では当幼稚園の様々な「環境」を写真でお見せしました。川にいくこと、葡萄の棚、おたまじゃくしのいる池、水たまり、二階へのはしご、お泊まり会の肉屋、そんなものをみんな見せて説明しました。
 第2の他の学校と違う特徴は「遊び」という方法をとることです。日本では勤勉が大事!遊びといえば悪いこと。みたいな倫理でしたが、幼児期はちと違う事を強調するわけです。遊びは自主性を育てます。自分からしない遊びは遊びとは言いません。遊ぶ子は自主性をつけます。今求められている人間像は、言われたことをする人より、自分で考え切り開く人です。世界的なPISSのテストでも、今後の大学入試でも記憶はコンピューターに任せ、考えることの出来る人を評価していきます。「遊ばない子はバカになる!」って私はよく言いますが「いいこと考えた!」とばかり遊びださない子はいけませんね。その他にも遊びは「面白かった!」という満足感や成就感を育てます。こういう体験も将来役にたつのですよ。「自己肯定感」という言葉を知っていますか?自分のこと好きと思うことです。前回りでも後ろ回りでもどうでもいいが、やれたことで自分に自信がもてます。それは鉄棒でなくてもいい。そこが幼稚園ですね。ボタンがはめられた。綺麗に編めた。アヒルが持てた。買い物に行けた。そんな自分が好きになるきっかけはいっぱいある。それを遊びの中で、ときには生活の中で感じさせることが幼稚園の教育の中身です。
 3番目には こども一人一人の理解です。幼稚園では特に小学校と違い、このことを大事にします。小学校は個を大事にしないというわけではなく、クラスやみんなというものも入ってくると言っているわけですが、幼稚園の先生はこの一人一人の特性の理解が、大事な仕事です!と講義するわけです。すると受講生の感想文などに、そのことを忘れていました。なんて書いてくれる人が大勢いるのも事実です。具体的に言えば今度する運動会の全体の見栄えを求めるあまり、あの子のことを考える余裕もなかった。などと反省してくれます。それでいいのです。
 4番目は、そのことを達成する為に先生の仕事は年間や学期や、週や毎日のために計画をたてることです。計画も立てずにその時ごとに子どもと接することは、学校教育である幼稚園の先生ではないよ!とこのことは、きつく言います。しない人は自分の仕事を放棄するからです。
 この4つの幼稚園教育の基本ははずせない所ですから、免許状更新の先生方には時間をかけてお話します。保護者の皆さんは子どもがいないときに先生はこういう事をしていると理解してください。夏休みだからと休んでばかりではありません。保育園やこども園での悩みはいつも子どもがいますのでこういう時間がとれないことです。国は質の向上のために大きなお金をつぎ込んでいますが、研修をうけるために代替えの担当者を配置しなくてはならないからそのことは大変です。その点幼稚園の先生方は幸せなんだよということも言っています。
 呑竜幼稚園では 免許状更新の4人の先生と大鷲先生が僕の講座に出ました。その他にもお話したことはありますが、その一端をここで伝えたわけです。幼稚園って言う場所は、こうした基本を元に子ども達を育てています。栃木県の多くの先生たちもご理解してもらったと思っています。
 

ニュージランドの保育事情

2015-07-01
先月の終わりから6月にかけてニュージランドの幼稚園・保育園を視察に行ってきました。ニュージーランドの教育要領とも言えるテ・ファリキを作り、子どもの記録の方法であるラーニングストーリーの開発者であるマーガレット・カー女史をワイカト大学に訪問しました。白髪交じるおばあさんでしたが、精力的なお話を伺いました。かの地は先住民族のマオリ族がいるかつての英国の国です。テ・ファリキとはマオリ語の編み物という語源です。そのくらいマオリの人を大事にしていることが分かりますね。て・ファリキは各園には必ず見えるところにあり、それにのっとって保育が進められています。
 
ラーニング・ストーリーとはニュージーランドの多くの乳幼児を対象とした施設で実施されている、観察と記録による子ども理解の方法で、保育者や保護者が、多くの子どもの一人一人の興味関心や気持ちなどに目を向けていく方法です。子ども自身が持っている学ぶ力と可能性への信頼を基盤として、子どもに「できる」「できない」や「はやい」「おそい」などの○×方式の判断や、チェックリストによる評価を行いません。こどもの「できないこと」や「マイナス面」に着目するのではなく、「興味をもっていることと」「夢中になっていること」「チャレンジじていること」「気持ちを表現していること」「役割をはたしていること」などに着目して、こどもの「こうしたい」という思いを見出だし、その可能性を伸ばしていこうとする観察と記録の方法です。子どもたちの育ちや経験を写真や文章あんどの見える形で記録し、可視化されることによって記録する者ばかりでなく、保護者や子供にとってもメリットのある方法です。このことは今日本でもだいぶ評価されています。
 
その他、私立の幼稚園・保育園。また保護者が運営している幼稚園などを視察しました。

仏教の話

2015-06-01
先生、仏教ってなんですか?って聞かれることがあります。いやこれは難しい質問ですね。僕は栃木県の仏教保育協会の理事長を仰せ使っておりますので、この頃新しく保育者になった方に県の総会でお数珠をお渡しします。またそのとき、仏教保育のことについてもお話しています。でも仏教って大きく聞かれると一口にいうのは難しいですね。難しいですが最低限言えることで答えると、「仏教」ってしていることとその教えが反していてはだめです。生き方がつまりその人の実践が大事でしょう。袈裟や衣を着てお経を僕もあげますが、そういうことでなく、どういう風に生きているかが問われます。私の伯父さんに昨年90歳をこえて亡くなったお坊さんがいますが、最後まで人に迷惑をかけなかった。それどころか自分で生きていた。死ぬことを怖がっていなかった。だからいくつまで生きるなんて言わない。そんな方がいました。励ますのが上手でちからづけてもらった思い出があります。声が大きくよく笑った。勿論多くの人のために仕事もしました。こうした生き様を見て多くの人が納得していましたね。あの人は坊さんだ!言ってることとやってることが同じだからです。仏教って教えではなく、どのようにやっていくか生きていくかという指南のようなものです。理屈じゃなく実践です。でも何が良くてなにがダメか、わかる人は少ない。いやわからない。なんなわけで私は、言うとやるが一致しないと認めないことにしています。ちょっと笑っちゃうところありです。仏様ってそんなことお見通しですから、あれ、答えになっていませんね。すいません・・

脳の話し 成田奈緒子

2015-05-02
人間の脳には 3つの脳があります。
からだの脳   生きる為の脳です 寝る・起きる・食べる。体を動かす 0から5歳に発達
おりこうさん脳 人間らしさの脳 言葉・勉強・運動  1歳から18歳 中核6から14歳
こころの能   社会の能 社会での成功や幸せを得る 10歳から18歳 中核10から14歳
 
この3つの脳を均等に大きく育てることが大切です。
でも早期教育はおりこうさん脳を育えるのが多い
幼稚園時代は 土台になる からだの脳を育てておきたいです。
なぜなら、からだの脳の上におりこうさん脳もこころの脳も乗っかります!
 
赤ちゃんのときには このからだの脳がまだ出来あがっていません。
人間は 昼行性の動物ですから 太陽のリズムと同じように動くことが大切です。
だから、明るくなったら起きることです。起こすことです。
 
最初の脳育てとは 
朝明るくなったら起きるとともに、お腹すいたと起床することです。
おなか減ったで起きることが大切ですよ!
だから幼稚園時代はいっぱい寝かして下さい。そして朝はやく起きられるようにして下さい
そうしないとおりこうさん脳も育たないのです!
それに、こころの脳も育ちません。
そん訳で言っているのです。
 
これはものすごく簡単に言った脳のはなしです。
良ければ 成田先生の 早起きリズムで脳を育てる という本を貸します。
このことすごく思い当たるんです。
 
それで皆さんにお願いしています。
早寝・早起き・朝ごはん!をです。
 
成田先生はこの実践者でもあり、文科省に提言もしている人です。
生活のリズムって、将来、利口で優しい子にするんですね。
 
皆さん そのことも科学として 知っておきましょう!
 

脳の発達と幼児教育

2015-04-03
今、いろいろな事が検査出来るようになってきました。例えば赤ちゃんの脳波を外からはかれるようになったりし、赤ちゃんの耳や目の感覚の有無なんかもわかるようになったのです。そうした中でいままでの幼児期にする親の良いことは意味があったと判明してきました。逆に言えば、こんなことどうかな?ちょっとまずいね!ということもわかってきました。結論的にいうと、いままでしていた幼稚園での取り組みは理にかなっていて、子どもにとって良き刺激になっていると確信したしだいです。何回かにわけてそのことを話して行きましょう!じつはこのことは私が所属している幼少年教育研究所の春のセミナーで医師であり、文教大学の教育学部教授の成田奈緒子氏の講演と著書から紹介するものとなっています。私のまとめの意味もあり、皆さんに伝えていきたいと思います。
成田先生のこと。神戸大学を卒業し、ワシントン大学に留学していました。小児科の専門医で、独協や筑波大学で教鞭をとり今文教大学の教授です。早寝早起き朝ごはん全国協議会など、子どもの生活リズム確立のための多くの社会活動もしています。著書に「脳の進化で子どもが育つ」「赤ちゃんの脳とこころを育てる親子レッスン」「脳の鍛え方 育てかた」など多数あります
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