平成30年が始まります!
幼児期に大切にしたいもの
幼児期この時期は人生の中でもとても大切な時です。この時期にどのようなことをしたり、受けたりすることが、その後の長い人生に影響を与えることが、いろいろな研究で分ってきました。
例えば、アメリカの経済学者のヘックマンと言う人は(2000年にノーベル賞を取りましたが)しっかりした幼児期の教育を受けた人は、アメリカ社会のなかで、生涯に納める税金も多く、刑務所なんかにも入らないし、持ち家の比率なども高いことを長い実際の調査から述べました。アメリカという社会の特殊性もありますがここで言いたいことは、そのくらい小さいうちの教育の影響は、長じた時よりも影響が大で、投資効率・経済学の点からしても、高等教育にお金をかけるなら小さいうちにかけるべきだ!の学問的論理的な裏付けになりました。
今日本の幼児教育の無償化に関する国での論議もこの影響を受けています。
ただしここで言うところの「幼児教育」が問題であります。
皆さんは幼児教育をどのように思っていますか?
呑竜幼稚園をお選びいただいている方には言わなくても良いかもしれませんが、
幼児期に大切にすべきことは、子どもの「主体性」であります。もっとやさしい言葉で言えば、「やる気」、「自分から」であります。「内発的動機」などと言う人もいますが、こういうときには脳内の神経伝達物質のドーパミンが出ているのだそうです。まあ脳学者の説はともかく、そのような体験が大切なわけです。
「自分から」の反対にあることは「言われてする」であります。
笛の合図で何かすることも同様です。まあオリンピックのように千分の一秒でも早く出るときでしたら別でしょうが、並ばされて笛の音ピーで出るようなことは「言われて」です。だから頭の中のドーパミンも出ません。
自分からの姿が一番よくあるのが「遊び」です。遊んでいる子はお金を貰っていません(笑)お金をもらわなくても出来ることが「遊び」です。
立って歩けるようになった子は自分から歩きますね。砂場の砂のさらさら具合を知った子は砂を手に持ちます。砂を手からこぼすのは遊びです!そこで大切なのは自分からすることです。小さな子でも自分で出来ることを味わってしています。そのことを、「主体性を学んでいる」なんて誰も言いませんが、汚してもいい服を着せて裸足で歩かせることを気の利いた親ならしています。
勿論、教育をしっかり受けた保育者はしています。
でもそれって「教育ぽく」ないのも事実です。日本の社会の中で教育というと
永らく、教え込んでわからせる・出来るようにしてあげることが教育と言われてきたからです。勿論それもあるのですが、幼児期に大切なことは、いわゆる早い時期からの やらせ・教え込みでないこともわかってきました。
読み書きそろばんを代表的な「認知的能力」といいますが、それ以外の「非認知的能力」が人生も、これからの学業も左右するということがヘックマンさんらの研究で分ってきたのです。
それをうけ2020年から大学の入試もただの覚えこみの問題が減ってくるのだそうです。覚える記憶するだけならコンピューターの方が正確ですから。
「非認知能力」とは、いろいろあります。最後まで責任をもってやりきること。仲間と協力できること。コミュニケーションの力。感情をコントロールする力などですが、それらは今までの幼児教育が進んでとりいれやってきたことです。(そうではないことをしている園もあり、残念ですが)そのことをしっかりとする幼児教育が今も昔も大切であると実証されたのです。小学校で困らない為ではなく、人生の「あと伸び」の為には土台である幼児期をどう送らせるか。を考えてあげたいものです。
その意味で お母さんのお父さんの働き方と大切な子育ての有り方の小冊子を
私の属する私立幼稚園経営者懇談会で責任者として作りました。その呑竜幼稚園版もありますので多くの方に配っています。そこには後戻りできない幼児期の有り方についても記載をしています。ご利用くださればと思っています。
作品展
研究と実践
発表会の幼児教育的な見方
皆さん、今年の発表会はいかがでしたか!?
子ども達の姿にきっと頬を緩ませたことと思います。
終わって先生達向けに少し書いたものがあります。
本来は内部資料ですが 出すことにします。
この頃、うちの生活発表会は劇が多くなりました。25年くらい前はスライドで幼稚園面白場所見つけ!なんてのをやったこともあります。まあ、子供達も劇遊びをしたがっているようですから。悪くはないです。劇遊びは決めるまでが楽しい。多数決は野蛮な決め方と思っているのでそうはしないようだ。意見の調節はそうは簡単でない。そこが面白いところで、クラスたよりなどで親に教えて下さいね。劇は毎日変わるから良いのよ!とおもっている。変わらなければ練習になるよ。子供達が良い事思いついて劇に入れ込む作業がイイね。年長になるとナレーターという役もあるようだ。ナレーターは自分の言葉で話す役なので、紙を読むなんてカッコ悪いよ。多様な表現をして欲しい。振りは自分から湧いてこないとね。これを引き出すのは保育者の醍醐味でしょう。大道具、小道具も一緒に作りたいね。先生がリードしても勿論イイよ。小道具があると言葉もうかんでくる。動きも出るよ。特技は磨きをかけて会場を唸らせろ。イイ気分で将来俳優になる下地だ。こうした発表会は園によっていろいろです。うちは劇を見せるのでなく、劇を通して育ったものを見せて欲しいな。それでこそ幼児期の教育になります。出来栄えねらいなら劇団○○!の子役たちにしてしまいますよ。そこが違うところと十分わきまえてください。宝塚に進んだ子もうちの幼稚園にはいます。その子が楽しんで発表会をしていたことは、言うまでもありません。楽しくなければ幼稚園じゃない!はこんなところでも使えますよ。ご苦労様でした。